HIV検査騒動まだまだ続く
HIV感染している事に気付かず、約6年後にAIDSを発症したAさん。
Aさんには、一年程前に別れた、忘れることのできない彼が居ました。追いかけるばかりの恋愛に、疲れ果てた末の離別でした。
友人の計らいで、Aさんが入院している病棟の個室で、その彼と対面を果たしました。
顔色が悪く気怠そうな痩せ細った彼をみて、全てを察したAさん。
この人は自分がHIVだと知っていて私を抱き続けていたのだと。
出合い系サイトで知り合った不倫の彼でした。
そして、惨めなAさんに付き添い看取ったのは、
これもまた、Aさんに散々素っ気ない態度を取ってきた、旦那様でした。
そして何より恐ろしいのは、Aさんは彼を好き過ぎるあまり、バランスを取る為に他にも数人と遊んでいた事。
その男達は、今どうしているのでしょう?
知らず知らずのうちにHIVを広め続けたのでしょうか。
死亡原因をAIDSだと公表する遺族はいないので、
知る由もありません。
まだ独身だった私は、汚いモノを見るような、自分とは無関係な奇妙な世界を観ている様に感じていました。
……私から突然検査の話をメールで切り出されたカズさんは、
きっとこの様な気持ちだったのでしょう。
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カズさんは、暫く黙っていましたが、
ポツリポツリと話してくれました。
新しい店舗の事で頭が一杯で、プレッシャーとストレスで体調が悪い事。そんな時に、私からHIV検査をして欲しいとメールがあった事。
カズ「…あのね、大体何で今なんですか?今じゃないですよね?僕、それどころじゃないのに、何を言い出すのかと思って、もういいやと思っちゃったんですよ。」
ティ「カズさんはいつも忙しいでしょう?それに、仕事の話は詳しくしてくれないし、メールは最低限だし、私には状況の把握なんてできない。
私は職業柄、AIDSの人を見て来たから、カズさんとは感覚が違うのは分かってる。だから、これでも凄く凄く迷って…今になっちゃって…
…本当にごめんなさい…」
カズ「ふぅ……( 溜息 )」
シーン……
カズ「……検査くらいしますよ。それくらい…。当たり前でしょ?でも、もう少し待ってもらっていいですか?」
ティ「……」
「はい…ごめんなさい」
あー・・・お別れしないんだって、思いました。
…この会話があって、その後のデートはずっとセックスなしでした。
そんなこんなで3ヶ月が過ぎる頃、
検査に行って欲しいと言えない私と、仕事が忙し過ぎて身動きが取れないのにセックスまで拒否されるカズさん。
お互いストレスが溜まり、また連絡が取れない状況になりました。
…そりゃあ、そうなりますよね💧