人生の後半に
私の母はもう亡くなりましたが、
今でいう父からの酷いモラハラで難病を患い、
私の記憶に残る母は寝たり起きたりでした。
それが普通だと思っておりましたので、
寂しいと感じたことは無かったと記憶しています。
子供の頃の、旅行や外食等の思い出はほぼ無いです。
ですから、結婚したら、沢山沢山家族でお出掛けしたいと思っていました。
…主人は悪い人ではないのですが、
家族の事が面倒で、全く興味が無い人ですので、
叶いませんでしたが。
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ある日、たっ君が突然連れて行ってくれた所は、
有名な遊園地のイルミネーションでした。
広大な敷地に所狭しとキラキラしている光の世界が、
目前にわーっと広がっていました。
以前から行きたかったのですが、
遠いから無理だとつい先日言われてからの
サプライズでした。
もうこれだけで十分でした。
けれど、その1週間後には、
冬の花火を観に連れて行ってくれました。
水面に映る花火はとてもとても綺麗なものでした。
そして、時計ばかり眺めていたたっ君は、
終了後に余韻に浸る間も無くバタバタと帰り支度。
忙しいのに有難うね〜。
もう、大満足〜。
と、車内で落ち着いてから余韻に浸っていたら、
たっ「ほらっ。見て見て!」
ティ「えっ!わぁ〜っ。きれ〜!凄〜い!」
六本木の並木道のイルミネーションを車でザーッと通っている。
またまた、余韻に浸っていたら、
たっ「降りて!」
ティ「へっ?」
車は、表参道のイルミネーション通りを抜けて、
原宿の、青の洞窟といわれるイルミネーションの前で停車していました。
たっ「歩くよー」
それまでのバタバタは何だったのかと笑えるくらいにゆっくりと、
ブルーの光の中、
手を繋いで歩くことが出来ました。
そして、車に戻るとちょっと待っててと、
これ凄く美味しいんだよと
お土産まで買ってきてくれて、
感激して大泣きしてしまった私。
そんな私を満足気に見ながら、
たっ「良かったよー。時間ないかと思ったけど、予定終了!中々良いプランだったでしょう?今年はもう会えないかな。ご飯食べて帰ろうか。」
って、キス。
私はのろのろしているほうですので、
グイグイ引っ張っていってくれるたっ君の様な人が、とても心地良いのです。
それだけに、たっ君の意に反した事をすると叱られて怖い思いをする事もあるのですが、
あぁ、こういう一面があるのね、
奥様大変だろうな…
と、
不倫はここが都合良く出来ているのでしょうね。
私にとってたっ君は、
私がしたくても出来なかった夢を
楽しみながら叶えてくれる人。
なんなら、セックス無しのお友達でも良いと思うくらい、
好きよりも先に感謝しているのです。